3焦点眼内レンズ PanOptix,(パンオプティクス・日本アルコン)の勉強会を行いました。
2020年4月1日(水)から、多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術は先進医療制度から外れ、保険診療+選定療養として行われます。
4月以降に多焦点眼内レンズを希望しての手術の場合、白内障手術代は健康保険でレンズ代を自己負担されることになります。このレンズ代というのは、入院した際の差額ベッド代をイメージしていただければ分かりやすいかと思います。差額代に関しては、各医療機関で設定される費用となります。
当院でも多焦点眼内レンズの導入を検討しているところで、2019年10月に発売された新しい多焦点眼内レンズである、日本アルコンのパンオプティクスの院内勉強会を行いました。
パンオプティクスの特徴としては、3箇所にピントが合う、つまり、遠(5M以上)・中(60cm)・近距離(40cm)に焦点が合うレンズ(トリフォーカルレンズ)であるということです。
運転やテレビだけでなく、パソコンやスマホ、読書についても眼鏡なしで見えるというものです。
現在まで国内で発売されている2焦点レンズや焦点距離拡張型レンズの利点は、遠近ともに視力があい、眼鏡の使用頻度が少ないことですが、パソコン等の中間距離や本を読んだり裁縫をしたりする距離で眼鏡や拡大鏡を使って補正する場合もありました。
パンオプティクスは遠方5m以上、中間60㎝、近見40㎝の3箇所に焦点が合う為、以前の2焦点レンズよりも眼鏡なしで生活できる可能性は高そうです。
ただし薄暮時の見え方が悪い、ハロー、グレアといった光源を見たときに不快感を感じるなどいくつかの注意点があり、職業ドライバーの方や精密作業従事者、色彩やコントラストの識別が必要な御職業(イラストレーターや映像、美術関係の方)、医師、歯科医師の等方には不向きなレンズになります。
多焦点眼内レンズは万能ではなく、それぞれメリット・デメリットがありますので、それらを含めてよくご検討いただければと思います。